2016年01月01日

■2015年 包装界10大ニュース【日本包装管理士会選定】

【1】世界初となる機能性セルロースナノファイバーの実用化商品が発売開始=木材繊維(パルプ)を高度にナノ化(微細化)したバイオマス素材を化学処理したセルロースナノファイバーを用いて、高い消臭機能を持つシートの実用化に製紙会社が成功した。このシートを大人用紙おむつに採用、世界初となる実用化商品として、10月1日より全国で発売開始した。セルロースナノファイバーは植物繊維由来であることから、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることが特徴で、高い弾性率、温度変化に伴う伸縮が良好、酸素などのガスバリア性が高いなど、優れた特性を持っており、今後、包装材料への展開が期待される。

【2】インバウンド消費の波、新たなマーケットに=韓国・台湾・香港などでの日本観光ブームに加え、中国人の観光ビザ条件緩和などで、3年間で2倍に増えた訪日観光客の購買力は凄まじく、インバウンド市場の勢いが止まらない。日本製品は食品や薬品・医療雑貨、化粧品等の安全性が購買動機において最優先されている。これらの商品はインバウンド(爆買い)の恩恵で消費が盛り上がり、その包装材料も対前年1・5倍まで拡大している業界もある。

【3】TPP交渉が大筋合意=2015年10月、環太平洋地域の12か国が、貿易品目の95%での段階的な関税撤廃や種々の経済ルールを盛り込んだ経済連携協定に大筋合意した。世界のGDPの4割を占める巨大経済圏であり、貿易や経済のルールの世界基準となることが期待される。また、産業構造の変化が起こり得る。日本政府試算のTPP効果は3・2兆円。消費者には価格や選択のメリットをもたらす。事業者は新たな競争に直面する一方、加盟国へ打って出易くなる。

【4】新しい食品表示制度が施行される=2015年4月1日に食品表示法が施行され、食品衛生法、JAS法および健康増進法の3法の食品表示に関する規定を統合する制度が創設された。また新たに「機能性表示食品」の制度が創設され、商品の差別化に貢献するパッケージが増えた。特定の保健の目的が期待できるという食品の機能性を表示できる制度は、これまで国の審査が必要な「特定保健用食品(トクホ)」と国の規格基準に適合した「栄養機能食品」だけだったが「機能性表示食品」が加わり包装分野にも影響が出てくる。

【5】包装の環境配慮JIS制定=経済産業省は包装の環境配慮に関する日本工業規格(JIS)を制定した。1995年の容器包装リサイクル法制定以降は各産業での包装の環境負荷低減を目指した努力が進められている。このような社会的要請の中、包装の環境負荷を最小化する手順や評価方法について、全体で6部に取りまとめる検討を進め、第1部(一般的要求事項)、第2部(包装システムの最適化)、第3部(リユース)を先行して制定した。包装の環境配慮について客観的なものさしが示されたことになり、包装への正しい評価を後押しする期待も高まってきた。

【6】マイクロプラスチック問題への世界的取り組みが加速=2015年6月のG7エルマウ・サミット首脳宣言に、海洋ごみ、特にプラスチックごみを世界的課題と認識し、海洋ごみ問題に対処する活動と解決策にG7がコミットすることが盛込まれた。海洋に流出したプラスチック包装や容器が5_以下の欠片(マイクロプラスチック)になり有害物質を吸着・濃縮し、食物連鎖により人間にも影響がでるとされている。米カリフォルニア州は客へのレジ袋の提供を禁止、歯磨き剤、洗顔剤などに使われているマイクロビーズの製造と販売を5年後に全面禁止する法案を制定した。3Rの推進、生分解プラスチックの実用化、脱プラスチック化などが、容器・包装や中身に強く求められていく見込み。

【7】食品分野で機能性を向上した新容器が続々販売=醤油に続き食用油でも鮮度保持に優れた「二重構造密封ボトル」を採用。粉チーズでは筒型成形容器が定番である中、口栓付きスタンディングパウチを採用することにより、容器内で固まった粉チーズをもみほぐすことが可能となった。生クリーム用容器でも利便性向上と保存性アップに「リキャップ可能なスパウトパウチ」を採用。小麦粉用容器では持ちやすい、ふり出しもすり切りもできる「キャップ付き小容量ボトル」を採用し、単身やシニア世帯などの不満を解消している。

【8】使用後の廃棄を容易にした紙製容器・非常用マグネシウム空気電池を開発=東日本大震災で被災した際、非常時の携帯電話の電池切れで情報が遮断された事態に対応するため、電池メーカーと包装材料メーカーが共同で非常用電池を開発。水を入れるだけで多数の携帯電話に電気を供給できる「マグネシウム空気電池」で、液体紙製容器の包装技術を用いて使用後の廃棄性にも配慮した新容器を開発した。

【9】最新技術AR(拡張現実)をパッケージにも活用=店頭で目に止まるパッケージには、その魅力を伝える様々な情報を詰め込む必要がある。「AR(拡張現実)」は、そのようなニーズに対応できる技術で、スマートフォンやタブレットの増加とともに企業の宣伝・販促キャンペーン戦略としてパッケージにも採用されてきている。

【10】暮らしの包装商品展2015=2015年9月11日〜13日、暮らしの包装商品展2015が、「知ってなっとく!包装容器の新事実!」をテーマに、ららぽーとTOKYO―BAYで開催された。商業施設内での開催は初めての試みであり、多くの一般消費者に包装の機能や重要性を楽しみながら知ってもらう機会となった。
posted by ポリオレフィン時報 POJ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース
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